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終章|ポスト比例時代の建築へ:波としての構築
比例という概念は、長らく建築を支えてきた普遍的原理とされてきた。だがその幻想は、モデュロールの波動的性格を再読し、チャート空間論へと展開する中で、もはや絶対的な秩序ではなく、むしろ揺らぎを内包する仮構であることが明らかになった。比例は「永遠性」をもたらす代替不可能な原理では...
岩川 幸揮
6月2日
第4章|推進五波とモダニズム:理解されなかった修正波
近代建築の五原則――「ピロティ」「自由な平面」「自由な立面」「水平連続窓」「屋上庭園」は、コルビュジエが確立した建築理論の中核を成すものとして知られている。それらは合理的構造のもとに設計された明快な空間構成を示しており、モダニズムの精神を体現する典型的な形態である。しかし、...
岩川 幸揮
6月1日
第3章|比例の崩壊とデコンストラクション:中心なき構造へ
比例とは本来、安定と秩序の代名詞だった。古代ギリシア建築における調和、ルネサンス期における人体との類比、そして近代建築における合理性――比例は常に、「普遍的な美」を担保するための尺度として働いてきた。コルビュジエがモデュロールを通じて示したのも、そうした「比例への信仰」の系...
岩川 幸揮
5月31日
第2章|チャート空間論:波動としての秩序と干渉
株価チャートや価格の推移を示すグラフは、建築とは遠く離れた領域のもののように見えるかもしれない。だが、それは果たして本当にそうだろうか。チャートを空間として読むとき、そこには構造があり、リズムがあり、そして何より「比例」が存在している。価格は乱数のようでありながら、ある一定...
岩川 幸揮
5月30日
第1章|モデュロールを波として読む:振動する身体と空間
建築において「比例」は、空間の秩序を与えるための最も古典的な道具である。それは美や安定、そして調和を保証するものとして尊ばれてきた。コルビュジエの「モデュロール」はその集大成とも言えるものであり、黄金比と人間の身体寸法を重ね合わせることで、建築に普遍性を与えようとした試みだ...
岩川 幸揮
5月29日
序章|比例という幻想:コルビュジエ再読
建築における「比例」とは何だろうか。単なる幾何学的比率や数学的調和のことではない。それは、空間を普遍化し、秩序を保証する装置として、歴史を通じて繰り返し召喚されてきた概念である。特に近代建築においては、「比例」は人間の尺度と結びつくことで、建築を理性と美の一致の場に変えよう...
岩川 幸揮
5月28日


永遠建築
終章|建築の不在から始める建築 ― 存在しないものとしての建築、あるいはその未来 ──建てられない建築は、建築でないのか? ここまで、模型、言語、チャート、波、そして都市の不在について語ってきた。そのすべてに共通する問いがある。それは、「建築とは建物のことなのか?」という根...
岩川 幸揮
5月25日


多重経路散乱場
第6章|チャート分析と建築:空間の散乱と波の理論 ― 可視化される波、反射する構造 ── チャートは、空間にひろがる建築のもうひとつの形式である。 建築は通常、空間に実体として存在する。だが、チャートに浮かぶ波形もまた、空間的な構造を持つ。上昇と下降、反転と継続。そのリズム...
岩川 幸揮
5月24日


評価時場
第5章|価値と資本の境界に立つ建築 ― 評価されるものと交換されるもののあいだで ── 建築は、価値の外に咲く。 建築は、つねに価値にさらされている。経済的価値、美学的価値、社会的価値。どれもが建築を測ろうとする。 しかし、建築が本来立脚しているのは、こうした 価値の尺度...
岩川 幸揮
5月23日


不在と再演
第3章|都市・建物・歴史の不在と再演 ― 名もなき空間への移植としての建築 ──建築は、失われてなお建築でありうる 都市が喪失されたとき、私たちはその「跡地」に何を見出すのか。瓦礫、廃墟、断片的な記憶、スキャンデータ、再現された模型。そこに建物は存在しない。だが、「建築」...
岩川 幸揮
5月21日


模型という言葉以前の建築
第2章|言葉の代替装置としての模型 ― タグ化する建築、語りえぬ構造の提示 ── 模型は、語るのではなく、指し示す。 建築家は言葉によって建築を語ることに慣れている。だが、言葉では届かないものがある。むしろ、模型は建築を語るための 代替装置 として機能するのではないか。...
岩川 幸揮
5月20日


模型という最後の製作 ― 建築の不在に抗う行為として
第1章|模型という最後の製作 ― 建築の不在に抗う行為として ── 建築家は建物を「建てる」ことができない 建築家は建物を建てることができない。この一文に違和感を覚える人も多いだろう。だが、実際に建物を組み上げるのは、職人であり施工者であり、現場の人々である。建築家が手がけ...
岩川 幸揮
5月19日


ここに建築は可能か?―模型という最後の製作と、建築の不在について―
序章|問いとしての建築 ──建築とは何か、ではなく「ここに建築は可能か?」と問うことから始めたい。 建築の起源を問うとき、多くの人が「建物」を思い浮かべる。だが、建築とは本当に建物のことなのだろうか?私はその問いに、明確に「ノー」と答える。建築は建物ではない。建築は問いであ...
岩川 幸揮
5月18日
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