top of page
検索
第四章|建築のラグ:波尾の空間と価値の遅延
波は前だけを進んでいくのではない。それが通過した後にこそ、最も重要な「余韻」= 波尾(リターディング・エコー)が残される。この波尾にこそ、建築と空間の本質的価値 が宿っているのではないか? 1. ラグとは何か? 「ラグ」とは、トレンドの後を追って動き始める構造のことだ。チャ...
岩川 幸揮
6月24日


一万円から始めるチャート空間論。
現在は ここからどう推移していくか、楽しみです。
岩川 幸揮
6月23日
第三章|波紋のレイヤー:過去・現在・未来の干渉場
波は単独で存在しない。ひとつの波は、他の波と出会い、干渉し、重なり、あるいは消し合う。この干渉が生まれる場こそが、私たちが「空間」や「時間」と呼んでいるものの実体である。 ここで注目すべきは、 波は常に「複数の時間軸」にまたがって存在している という事実だ。 1....
岩川 幸揮
6月20日
第二章|震源地と波紋:時間的因果の非対称性
「波紋が広がる」という直感は、時間の線形的な理解に基づいている。衝撃(震源地)がまず発生し、それが徐々に空間へと伝播していく。しかし、 波の構造は非線形的であり、因果関係もまた一方向とは限らない 。 ここで問うべきは、「震源地は本当に“始まり”なのか?」ということだ。...
岩川 幸揮
6月19日
第一章|波は過去ではなく未来を語る
私たちはしばしば「波紋が広がっている」と口にする。何か出来事が起きたとき、その影響がじわじわと拡散していく様子を、あたかも池に落ちた一滴の水が波となるように捉える。この比喩は美しい。しかしこの「広がり」は、あくまで視覚的な印象に過ぎない。...
岩川 幸揮
6月18日
1万円から始めるチャート空間論
――実践を通して、理論の価値を問う これから「1万円から始めるチャート空間論」の実践を始めようと思う。この試みは、利益を追うことを第一義とするものではない。むしろ、 この理論が現実においてどこまで通用するのか、その実用性を問うための小さな実験...

Gaku Sakura
6月17日


第四回:「COWBY ─ 跳躍する建築のプロトタイプ」
PHARMAKON OVERWRITE STUDIO 構想記 #04 COWBYは、建築の身体化であり、建築の流動性を体現する存在だ。ジャンプするのは彼の身体だけではない。重力に囚われた建築そのものが、一瞬、宙に浮く。 その名は、**COW(牛) と...
岩川 幸揮
6月15日


第三回|COWPYRIGHT──建築のもうひとつの身体
PHARMAKON OVERWRITE STUDIO 構想記 #03 COWPYRIGHTは建築の歴史に属する。それはキャラクターでもマスコットでもない。記号やロゴのようなものでもない。むしろ、建築の文脈にアクセスするための装置であり、既存の建築的知覚を脱臼させ、再構成する...
岩川 幸揮
6月14日


第二回|建築は移動する
PHARMAKON OVERWRITE STUDIO 構想記 #02 このバイクは少し変わっている。リアのタイヤが2本ある。それぞれに片持ちのスイングアームがついており、身体の動きと連動して傾く機構が搭載されている。つまり自立して転倒しない。タンクの形状から液晶が立ち上がり...
岩川 幸揮
6月13日


建築のための建築
PHARMAKON OVERWRITE STUDIO 構想記 #01 あの建築は、もともとU字のハープパイプのようなかたちをしていた。つまり、床はまっすぐではなかった。わずかに湾曲していて、私はそのカーブを都市に開放しようとしていた。ビジネスマンや子どもたちが、ただの道とし...
岩川 幸揮
6月12日
終章|ポスト比例時代の空間:建築・芸術・理論の交差にて
建築を「建てる」という動詞で捉える時代は、すでに過去のものとなりつつある。いま私たちに求められているのは、「響かせる」という新たな構築の在り方だ。比例、スケール、中心、均整。古典的な空間の語彙は、かつて整った秩序と支配のもとで栄えたが、いまそれらは多義的な意味を孕みながら、...
岩川 幸揮
6月11日
第6章|奇跡とはなにか:時間の推移と価値の浮上
波は、決して完全に予測できない。しかし波には「かたち」がある。そのかたちは、過去の干渉、未来の余韻、現在の振幅を含んだ一瞬の凍結であり、そこに「奇跡」が宿る。 チャート空間論において、「価値」は単なる価格の上昇や下降ではない。それは時間の中で繰り返される干渉と蓄積、すなわち...
岩川 幸揮
6月10日
第5章|展示空間の裏返し:誰が誰を展示しているのか?
建築と芸術の関係は、長らく「器」と「内容」の構図で語られてきた。しかしその構図は、現代において反転しつつある。美術館はもはや中身を包むだけの「白い箱」ではなく、自らが作品の一部、あるいは干渉する波として機能し始めている。...
岩川 幸揮
6月9日
第4章|スパイラルの波動:芸術的衝撃と構造の沈黙
ロバート・スミッソンの《スパイラル・ジェッティ》は、建築でも彫刻でもなく、「波から生まれる波紋」の具象化である。グレートソルト湖の岸辺に延びるその渦巻きは、時間と自然の作用によって消えたり現れたりする。固定された構造ではなく、干渉と変容の場。そこには、「波の余白」がある。波...
岩川 幸揮
6月8日
第3章|波としての空間:建築の解体と時間の干渉
建築とは「構造」だろうか?少なくとも20世紀的モダニズムにおいて、建築は秩序・比例・構造といった理念に支えられていた。だがその理念は、磯崎新によって根底から解体される。「建築とは構造である」という通念に対し、磯崎は「非構造の構造」という逆説を突きつけた。...
岩川 幸揮
6月7日
第2章|波紋としての価値:チャート理論とアートの接点
価値とは、どこから現れるのだろうか。価格という絶対的な数値ではなく、「波」としての運動、つまり観測される推移のなかに価値を見出す視点こそが、現代の芸術や建築、そしてチャート分析において決定的に重要になっている。 多重経路散乱場理論をチャートに応用するという視座は、「価格変動...
岩川 幸揮
6月6日
第1章|フラクタルとしての芸術と建築
― ステラ、リヒター、ポロック、コールハースの構造にみるスケールと干渉 ― スケールが飛ぶ。そのとき、作品はもはや作品ではない。空間であり、構造であり、波の干渉である。 フランク・ステラの絵画が持っていたあの異様な立体性は、どこか建築的だった。色彩は構造を侵食し、形態はキャ...
岩川 幸揮
6月5日
序章|空間は閉じられたチャートである
― 赤瀬川原平の「宇宙の缶詰」に見る、空間の可視性と境界の皮膜 ― 空間は、ただ広がるものではない。それは、すでにどこかで閉じられている。 赤瀬川原平が「宇宙の缶詰」と呼んだ行為、つまり既存の缶詰を開け、中身を空にして、そこに「宇宙」を封じ込めるという遊戯のなかに、私は建築...
岩川 幸揮
6月4日
終章|ポスト比例時代の建築へ:波としての構築
比例という概念は、長らく建築を支えてきた普遍的原理とされてきた。だがその幻想は、モデュロールの波動的性格を再読し、チャート空間論へと展開する中で、もはや絶対的な秩序ではなく、むしろ揺らぎを内包する仮構であることが明らかになった。比例は「永遠性」をもたらす代替不可能な原理では...
岩川 幸揮
6月2日
第4章|推進五波とモダニズム:理解されなかった修正波
近代建築の五原則――「ピロティ」「自由な平面」「自由な立面」「水平連続窓」「屋上庭園」は、コルビュジエが確立した建築理論の中核を成すものとして知られている。それらは合理的構造のもとに設計された明快な空間構成を示しており、モダニズムの精神を体現する典型的な形態である。しかし、...
岩川 幸揮
6月1日
bottom of page